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ヘッジコストにご用心 [投資・資産運用]


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前回は、国内債券ファンドには、投資すべきでないと書きました。
では、代替的な投資はできないのでしょうか。
勿論、あります。

もっとも代表的なのは、ヘッジ付き外国債券です。
例えば、ドル建て債券にドル売り円買いの為替予約をし、ヘッジコストを支払うと、理論的には、国内債券と同じものになります。

現実的には、ドルと円の金利の先行き見通しや、それぞれの通貨の受給、その他市場を動かすイベントなどの影響で、同じ動きにはなりません。ただ低リスクで安定したリターンを追及できるという面では、同じような性格を持った安全資産と言えます。
そういう面で、マイナス利回りに陥っている国内債券と比べ、米ドル債券はまだ利回りが残っていますので、ヘッジ付きドル建て債券はより魅力的な資産といえるでしょう。

しかし、ヘッジ付きの外国債券への投資は、実は簡単ではありません。
ドル円のヘッジコストは、以前は「ドルの短期金利ー円の短期金利」で簡単に計算できましたが、ドル金利の上昇、円金利の低迷が中長期的に見込まれ、ドルを求める投資家が多数いる状況では、ドル円の短期金利差に上乗せのコストを払わなければなりません。足下のドル円の短期金利差は0.6~0.7%程度ですが、ヘッジコストは1.0%~1.5%にもなっています。

例えば、年率ベースで、米ドル債券ファンドのポートフォリオ利回りが2.5%、ヘッジコストが1.3%、ファンドの信託報酬が1.2%の場合、2.5%-1.3%-1.2%=0.0%という計算となります。

現状は、国内債券ファンドはマイナス利回りですが、ドル建て債券ファンドも低リスクの国債や高格付け社債へ投資する場合は、ヘッジ後のネット利回りは0%または0%未満になるケースが多いです。

ファンドを運用する投信会社の中には、ヘッジコストを短期金利差だけで計算し、ネット利回りを意図的に高く見せているような、ひどいケースもあります。そういう行為は、投信会社の風上にもおけないものであり、そのような投信会社の商品は買うべきではありません。
またそのような投信会社が運用するファンドを販売する会社も、意図的にヘッジコストを小さく見せ、販売を伸ばそうとしている可能性がありますので、取引をするのは控えるべきでしょう。

運用会社や販売会社の姿勢を確認するには、ファンドの月報や販売資料を見て、確認するとわかります。特に為替ヘッジ付き外国債券ファンドの購入を検討する場合は、まず月報を見てみましょう。

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