運用実績の見方(3) [投資・資産運用]
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前回は、「運用ポートフォリオ」vs「のむラップ(普通型)」の比較を説明しました。
(※リターン(年率)、標準偏差(年率)、下方偏差(年率)、シャープ・レシオ、ソルティノ・レシオ の説明は、前回ブログ「運用実績の見方(2)」をご覧下さい。)
今回は、「運用ポートフォリオ」vs「コアラップ(安定型)」の比較を説明していきます。
「運用ポートフォリオ」vs「コアラップ(安定型)」の比較
まず両者の下方偏差(年率)は、それぞれ(※B1)+2.64%(※B2)+2.48%で、ほぼ同じといえます。
次にリターン(年率)を見ると、それぞれ(※A1)5.67%(※A2)0.37%で、「運用ポートフォリオ」が良好なプラスリターンを上げている一方、「コアラップ(安定型)」はほとんどリターンがゼロという結果になっています。
つまり「運用ポートフォリオ」は、損失を出す危険については、「コアラップ(安定型)」とほとんど同水準(2.64%≒2.48%)でありながら、リターン(年率)ははるかに上回っているわけです。
「ソルティノ・レシオ」を見れば、これを簡単に把握できます。
「運用ポートフォリオ」
リターン(年率)+5.67% ÷ 下方偏差(年率)2.64% = ソルティノ・レシオ 2.15
「コアラップ(安定型)」
リターン(年率)+0.37% ÷ 下方偏差(年率)2.48% = ソルティノ・レシオ 0.15
「運用ポートフォリオ」は(危険という意味での)リスク1単位あたり、年率で2.15のリターンを上げている一方、「コアラップ(安定型)」はリスク1単位あたり、年率で0.15のリターンを上げている、だから数値が大きい「運用ポートフォリオ」の方がリスク・リターンのバランスの観点では優れていると、読み取ります。
ただし、これは絶対的に「運用ポートフォリオ」が「コアラップ(安定型)」より優れていることを意味するわけではありません。なぜなら、投資を行うときに、すべての人が「リスク1単位あたりのリターンの高さ(=”運用の効率性”といいます)」を求めるとは限らないからです。
人によっては、リターンは置いておいて、とにかく損失が出る危険を小さくしたいというケースもあります。その場合は、下方偏差(年率)が小さいほうを選択することになります。
もっとも現実的には、「運用ポートフォリオ」と「コアラップ(安定型)」の下方偏差(年率)の違いは大変小さいため、リターン(年率)およびソルティノ・レシオも考慮すると、「コアラップ(安定型)」を投資対象に選ぶ人はまずいないでしょう。
勿論、取るデータ期間によって評価は変わります。上表のデータ期間で見る限りでは、上述の評価となります。
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