インデックスファンドにどのように投資するべきか？２（続編） [投資・資産運用]
Investor Directions
http://investor-directions.jimdo.com/
前回、インデックスファンドへ投資するべきかという議論で、分散投資により、全体の標準偏差（リスク水準）を引き下げた投資をすべきと書きました。
つまりそれは「複数のインデックスファンドに投資する」ことです。
もう少し詳しく書きますと、「複数の資産」のそれぞれのベンチマークに連動するインデックスファンドに分散投資するということを意味します。
そこで次に問題になるのは、「資産をどのように組み合わせるか」ですが、組み合わせを考える前に、まずどんな資産があるか、見ていきましょう。
【国内株式】
代表的なベンチマーク・インデックスは、日経平均株価指数（いわゆる日経２２５）、東証株価指数（TOPIX）などです。日経平均株価指数（日経２２５）の方が有名ではありますが、通常、運用のプロの世界では、東証株価指数（TOPIX）を使います。TOPIXの方が市場全体の動きを捉えることができるからです。
【国内債券】
代表的なベンチマーク・インデックスは、野村BPI（ボンド・プライス・インデックス）総合です。これに匹敵する知名度を持つインデックスはなく、日本の債券市場全体をもっともよくカバーしているインデックスです。
【海外株式】
代表的なベンチマーク・インデックスは、MSCIコクサイ指数です。日本を除く、世界の先進各国に投資をします。一般的には、「為替ヘッジ無」で、為替リスクを負います。
ただ私はこの資産については、「為替ヘッジ付」でも投資対象とすべきと考えます。為替ヘッジを付ければ、為替の変動リスクはなくなり、その分だけ投資のリスク（標準偏差）は小さくなります。世界の景気が上向けば、為替リスク抜きに、そのまま純粋に株式部分のリターンを狙うことができるといえます。
【海外債券】
代表的なベンチマーク・インデックスは、シティグループ世界国債インデックス（除く日本）、バークレイズ・ キャピタル・グローバル・アグリゲート・インデックスなどです。
私は「シティグループ世界国債インデックス（除く日本）」を使用しています。一般的には、「為替ヘッジ無」で、為替リスクを負います。
私はこの資産についても、「為替ヘッジ付」でも投資対象とすべきと考えます。為替ヘッジを付ければ、理論的には、海外債券の金利から為替ヘッジのコストが引かれる結果、国内債券と同等の金利になります。ただ現実は、そう理論通りにはいきません。デフレに苦しむ国内債券の金利の方が、為替ヘッジ付の海外債券の金利より低くなる傾向にあります。
【新興国株式】
代表的なベンチマーク・インデックスは、ＭＳＣＩエマージング・マーケット・インデックスです。他にありません。為替はヘッジ無のみです。為替ヘッジをできる通貨もありますが、多くの新興国通貨は為替の売り予約ができない、あるいは高金利のため、ヘッジをするとヘッジコストがべらぼうに高くなってしまうため、現実的には為替ヘッジはできないのです。
【新興国債券】
代表的なベンチマーク・インデックスは、様々ありますが、まず二つのタイプがあります。新興国の現地通貨建ての新興国債券に投資をするインデックスと、米ドル建ての新興国債券に投資をするインデックスの2つです。私が使用しているインデックスは、現地通貨建ては「ＪＰＭ ＧＢＩ－ＥＭグローバルダイバーシファイド」、米ドル建ては「ＪＰＭ ＥＭＢＩ＋」です。後者は、米ドル建てですので、米ドルの売り予約をすることで、為替ヘッジができます。私は、米ドル建ての新興国債券は為替ヘッジ付、ベンチマークは「ＪＰＭ ＥＭＢＩ＋（為替ヘッジ付）」で投資を行ないます。
通常、年金運用などのプロが使う資産は、以下の4資産です。
① 国内株式
② 国内債券
③ 海外株式（為替ヘッジ無）
④ 海外債券（為替ヘッジ無）
これを基本4資産と言います。有名なＧＰＩＦ（年金積立金管理運用独立行政法人）も、この基本4資産で投資を行なっています。
しかし、私が投資対象と考える中核資産は、4資産ではありません。9資産です。
下記の通りです。
① 国内株式
② 国内債券
③ 海外株式（為替ヘッジ無）
④ 海外株式（為替ヘッジ付）
⑤ 海外債券（為替ヘッジ無）
⑥ 海外債券（為替ヘッジ付）
⑦ 新興国株式（為替ヘッジ無）
⑧ 新興国債券（為替ヘッジ無）
⑨ 新興国債券（為替ヘッジ付）
この9資産は、大別すると、「安全資産」と「リスク性資産」に分類できます。
長くなりましたので、続きは次回に書きます。
今回はここまで。
関連サイト”Investor Directions”もご覧下さい。
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前回、インデックスファンドへ投資するべきかという議論で、分散投資により、全体の標準偏差（リスク水準）を引き下げた投資をすべきと書きました。
つまりそれは「複数のインデックスファンドに投資する」ことです。
もう少し詳しく書きますと、「複数の資産」のそれぞれのベンチマークに連動するインデックスファンドに分散投資するということを意味します。
そこで次に問題になるのは、「資産をどのように組み合わせるか」ですが、組み合わせを考える前に、まずどんな資産があるか、見ていきましょう。
【国内株式】
代表的なベンチマーク・インデックスは、日経平均株価指数（いわゆる日経２２５）、東証株価指数（TOPIX）などです。日経平均株価指数（日経２２５）の方が有名ではありますが、通常、運用のプロの世界では、東証株価指数（TOPIX）を使います。TOPIXの方が市場全体の動きを捉えることができるからです。
【国内債券】
代表的なベンチマーク・インデックスは、野村BPI（ボンド・プライス・インデックス）総合です。これに匹敵する知名度を持つインデックスはなく、日本の債券市場全体をもっともよくカバーしているインデックスです。
【海外株式】
代表的なベンチマーク・インデックスは、MSCIコクサイ指数です。日本を除く、世界の先進各国に投資をします。一般的には、「為替ヘッジ無」で、為替リスクを負います。
ただ私はこの資産については、「為替ヘッジ付」でも投資対象とすべきと考えます。為替ヘッジを付ければ、為替の変動リスクはなくなり、その分だけ投資のリスク（標準偏差）は小さくなります。世界の景気が上向けば、為替リスク抜きに、そのまま純粋に株式部分のリターンを狙うことができるといえます。
【海外債券】
代表的なベンチマーク・インデックスは、シティグループ世界国債インデックス（除く日本）、バークレイズ・ キャピタル・グローバル・アグリゲート・インデックスなどです。
私は「シティグループ世界国債インデックス（除く日本）」を使用しています。一般的には、「為替ヘッジ無」で、為替リスクを負います。
私はこの資産についても、「為替ヘッジ付」でも投資対象とすべきと考えます。為替ヘッジを付ければ、理論的には、海外債券の金利から為替ヘッジのコストが引かれる結果、国内債券と同等の金利になります。ただ現実は、そう理論通りにはいきません。デフレに苦しむ国内債券の金利の方が、為替ヘッジ付の海外債券の金利より低くなる傾向にあります。
【新興国株式】
代表的なベンチマーク・インデックスは、ＭＳＣＩエマージング・マーケット・インデックスです。他にありません。為替はヘッジ無のみです。為替ヘッジをできる通貨もありますが、多くの新興国通貨は為替の売り予約ができない、あるいは高金利のため、ヘッジをするとヘッジコストがべらぼうに高くなってしまうため、現実的には為替ヘッジはできないのです。
【新興国債券】
代表的なベンチマーク・インデックスは、様々ありますが、まず二つのタイプがあります。新興国の現地通貨建ての新興国債券に投資をするインデックスと、米ドル建ての新興国債券に投資をするインデックスの2つです。私が使用しているインデックスは、現地通貨建ては「ＪＰＭ ＧＢＩ－ＥＭグローバルダイバーシファイド」、米ドル建ては「ＪＰＭ ＥＭＢＩ＋」です。後者は、米ドル建てですので、米ドルの売り予約をすることで、為替ヘッジができます。私は、米ドル建ての新興国債券は為替ヘッジ付、ベンチマークは「ＪＰＭ ＥＭＢＩ＋（為替ヘッジ付）」で投資を行ないます。
通常、年金運用などのプロが使う資産は、以下の4資産です。
① 国内株式
② 国内債券
③ 海外株式（為替ヘッジ無）
④ 海外債券（為替ヘッジ無）
これを基本4資産と言います。有名なＧＰＩＦ（年金積立金管理運用独立行政法人）も、この基本4資産で投資を行なっています。
しかし、私が投資対象と考える中核資産は、4資産ではありません。9資産です。
下記の通りです。
① 国内株式
② 国内債券
③ 海外株式（為替ヘッジ無）
④ 海外株式（為替ヘッジ付）
⑤ 海外債券（為替ヘッジ無）
⑥ 海外債券（為替ヘッジ付）
⑦ 新興国株式（為替ヘッジ無）
⑧ 新興国債券（為替ヘッジ無）
⑨ 新興国債券（為替ヘッジ付）
この9資産は、大別すると、「安全資産」と「リスク性資産」に分類できます。
長くなりましたので、続きは次回に書きます。
今回はここまで。
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